以前「自分はうすっぺらい人間だなぁ」と悩むことがよくありました。
辞書の会社をやってるから何でも知ってるように思われるのに、そんなにモノゴトを知りません。持っている知識はかなり偏っていますし、かなりムラがあります。
単なる辞書に書いてあることのウケウリだったり、おやじギャグだったりするのに、「さすが辞書会社やってるだけあるね」と言われたりすると内心恥ずかしかったりします。
だから、いろんな人のいろんな意見をできるだけ聞いて、理解して、なんとかバランスをとろうと思っていつも謙虚にいかねばと思っていつつも、会社をやってると謙虚だけだと経営が成り立たなかったりするので、自信を持って主張したりします。このバランスが大変で、バランスを崩して何も主張できなかったり、逆に傲慢になったりすることが良くあります。これは経験を積んでバランスを自分の思う”期待値”に近づけるしかないですね。
話はかわって知識・知恵には内部知と外部知があると思っています。内部知は自分の中にあり、自分が持っている知恵つまり、自分の経験に基づくノウハウです。外部知は、自分以外のところにあるもので、インターネットや本や専門家や友人などなどです。内部知は限りがありますが、外部知は限りないので、その中から何を選ぶか、という選択方法がいちばん重要です。それが自分の内部知にも左右して人生を変えるくらいのインパクトがあるので、最も気をつけているポイントです。辞書事業はまさにそこが重要なので、そこを意識して一番時間を割いて情熱をそそいできました。こういう視点で事業までやる人自体が少ないでしょうから、少しは(いや結構・笑)自信があります。
だから、自分が知らなくても、何を見ればいいか、また誰に聞けばいいか、つまり、ノウハウよりも、ノウホワット、ノウフーがあれば、大体解決できると思います。
これをJLogosという事業の視点で考えてみます。辞書の価値は中身の1枚1枚のページから生まれていますが、それらがもし単体で存在していた場合の価値の合計を、(辞書として)まとまって編集(経験と実績を積んだ編集者が、背景となる知識を理解した上で、項目ごとに重要なものをすべて押さえ、重要度の低いものを省くなど、高レベルな取捨選択が行われ、完成する)されたもの全体の価値と比べると、何十分の1、もしかしたら何百分の1でしょう。その合計としての価値を左右するのは、集積度はもちろん、編集軸と目次だと思います。
そこで私自身がリアルな外部知(既に存在する辞書、ノウハウを持つ人やその人の内部知)を集め編集し、そして皆さんにITの力によって使いやすい形態で提供するための”目次”になれたらと思っています。それによって既存の知がより大きな価値を持ち、新たな知の再生産につながっていくことに役立てたらと思っています。
なので、、偏った人間だと思わずに、やさしく接してください・笑。
たしかな知識でゆたかな知恵を。
JLogosはスピードをあげてゆきます!